実現への道のり -プロジェクトストーリー-

人と人をつなぐ「街」づくりを支えるイタガキの技術力とチームワーク

プロジェクトリーダー(工事担当)であるKさんが中心となり、全社一丸となって取り組んだ森ビル株式会社が進める「虎ノ門・麻布台プロジェクト」。これまで経験したことのない複雑な形状の鉄骨をどのようにつくり上げたのか。施工管理部や製造部の担当者それぞれの視点とともに製作時のエピソードやイタガキの強み、今後について語ってもらった。

ⓒ DBOX for Mori Building Co.

  • Kさん
    中途 2012年入社
    工事安全 部長/
    (2022年3月〜)東北地区営業部 部長
    Kさん

    施工管理部・部長、仙台営業所・所長、工事安全部・部長を経て、東北地区営業部・部長として営業部全体のマネジメントを担当。

  • Tさん
    新卒 1997年入社
    施工管理部 生産設計課 課長
    Tさん

    鉄骨作図業務を経て工場・外注アレンジメントや工務にも携わる。現在は課長として7名の部下をマネジメントしている。

  • Sさん
    新卒 2007年入社
    製造部 仮組第一班 班長
    Sさん

    工場内の各班をローテーションした後、一次加工班に配属。その後、仮組第三班を経て、仮組第一班・班長として柱製作を担当。

※社員の所属は取材当時のものです

プロジェクトについて教えてください

  • Kさん
    Kさん

    [緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街 - Modern Urban Village -]をコンセプトとし、森ビル株式会社最大級の開発計画「虎ノ門・麻布台プロジェクト」。そのエリア内にあるC-1街区に建設する商業施設の骨組みとなる鉄骨(約1,700t)の製作から搬入までがご依頼でした。本プロジェクトは設計・監理に森ビル株式会社と株式会社山下設計、施工者として株式会社大林組が入っており、株式会社アイ・テック経由で弊社にご発注いただいた形です。

  • Tさん
    Tさん

    プロジェクトの説明を受けた時にKさんから「これから街をつくるんだ」と言われ、そのスケールの大きさに驚いたことを今でも鮮明に覚えています。

  • Kさん
    Kさん

    お客様からいただいた図面を見て大掛かりな製作になることは容易に想像がつきました。社内の士気を高めるために、事前会議でプロジェクト全体の完成イメージパースとともに国内外で話題になる案件であり、歴史的建造物となるであろう建物であることを周知しました。

  • Sさん
    Sさん

    完成イメージパースからも複雑さが分かり、これから大変なプロジェクトが始まる、そんな予感がありました。

ⓒ DBOX for Mori Building Co.
ⓒ DBOX for Mori Building Co.

それぞれの役割、心がけていることは何ですか

  • Kさん
    Kさん

    お客様との製作・現場施工の調整を始め、設計図(意匠図・構造図)をもとに具体的な製作用の施工図面を作図するための資料づくりが主な役割です。

  • Tさん
    Tさん

    私は社内他部署を中心に材料納入業者、運送業者などの外部との折衝・調整も行いました。

  • Sさん
    Sさん

    製造部の組立ての班長として工場内で部材を組立て、溶接班へと展開するまでを担当しました。納期を守るために大切なのは、ミスしないことだと考えています。そのために、班には若手の社員も多いことから、一人ひとりに丁寧に情報共有することを心がけました。

  • Kさん
    Kさん

    高い精度を求められているなかでも、いかに効率よくスピーディに製作を進めるか。どの案件でもそのことを常に意識しながら段取りしています。

  • Tさん
    Tさん

    製作関連の情報が更新されるたびにKさんが関係者全員に連絡を入れていたため、認識違いが発生することなく情報共有できました。私は納期を厳守し、必ず自分の目で状況を確かめてから関係者とコミュニケーションを図るようにしています。

難易度の高い依頼をどのように成し遂げましたか

  • Sさん
    Sさん

    製作する鉄骨自体はとても大きいものですが、寸法許容差が数ミリ単位ととてもシビアな世界です。このプロジェクトが特別というわけではなく、いつも通りに高い精度を保ち、不具合を出さないために図面と相違点がないかを確認しながら進めていきました。

  • Kさん
    Kさん

    鉄は熱を加えると縮むことがあるため、組立てする前の部品はそれを考慮して寸法を算出します。本プロジェクトの鉄骨は複雑なディテールだったため、製作に進む前から社内で協議し、検査を重ねながら慎重に寸法を導き出しました。

  • Sさん
    Sさん

    複雑なディテールの鉄骨だったため、時間をかけたのはどこから、どのように組立てるのかという点です。経験豊富な社員を中心に試行錯誤して順番・手順を導き出しました。柱の向きや長さを常に図面を見て確認し、取り付けミスなどが発生しないように丁寧に組立て、その後の工程を担う溶接班には、溶接の注意箇所や工区ごとに柱の製作順から置き方までも細かく共有しました。

本プロジェクトで印象に残っていることを教えてください

  • Kさん
    Kさん

    1回で終わることもある製品検査ですが、本プロジェクトは工期が長期に渡るため、合計15回実施されました。搬出前の最後の検査ですので毎回緊張する場面ではありましたが、最終回の製品検査の際にお客様より労いの言葉をいただけたことが何より嬉しかったです。弊社の仕事ぶりをお客様に評価いただけたと考えています。

  • Sさん
    Sさん

    私はお客様と対面する機会はなかなかないので、工場内で完成した製作物を見た時に達成感を味わっています。図面が具現化された巨大な鉄骨の柱は壮観の一言です。

  • Kさん
    Kさん

    搬出まで弊社の保管場所に完成品をストックしておくのですが、それらがトラックに積み込まれる姿を見て、毎回、一区切りついたと安堵していました。最後のトラックが出発する際、皆で記念撮影しておこうという話も出ました(笑)。

  • Tさん
    Tさん

    お客様に笑顔で「またイタガキさんにお願いしたい」と言われた時に、このプロジェクトに携われて、本当によかったと思いました。

プロジェクト成功のための今後の取り組みを教えてください

  • Kさん
    Kさん

    進化スピードの速い業界なので、技術力のアップグレードは欠かすことはできません。弊社の150年を超える歴史と革新的な精神が培った技術力を生かしながら、社員一人ひとりが意欲的にスキルアップを目指しています。

  • Sさん
    Sさん

    会社からしっかりとしたサポートがあり資格を取りやすい環境が整っているので、製造部の社員たちも積極的に資格取得に取り組んでいます。私は現在、「鉄工技能士1級」に挑戦しているところです。

  • Kさん
    Kさん

    腕を磨き続ける社員たちの集結による技術力の高さに加えて、お客様に寄り添える対応力も弊社の強みだと考えています。現場での施工性を考慮して弊社から様々な提案を行い、採用いただく事案も多数あります。お客様からの高いご要望を実現するために、対応力をさらに培っていきます。

  • Tさん
    Tさん

    アフターフォローをしっかりできるところがイタガキのよさと考えます。社訓である「和」の心を大切にして個々の持ち場に責任を持ちながら社内のチームワークを発揮し、今後もお客様の信頼を得るために努力していきます。